真空注型 シリコン型で少量の樹脂部品を低コストで製作

真空注型とは?SERVICE NO GAIYO

真空注型は、金型の代わりにシリコンゴム製の型を使い樹脂部品を製作する加工方法です。元となる製品(マスター)からシリコーンで型を製作し、製作したシリコン型内に真空引きで樹脂を注ぎ込み固めて、マスターの複製品を製作します。真空状態にすることで、型内の隅々まで樹脂がいき渡り気泡が出にくい加工方法です。

5~20個程度の部品を製作する場合にメリットのある加工です。

シリコンゴム型は、元になるマスターを容器に入れたあと、溶かしたシリコンを容器内に注ぎ込み固め、マスターの形状をシリコンで写し取り製作します。この時にマスターの質感まで写し取れるため、マスター表面にシボなどが施されていた場合は、複製した部品の表面にもシボが反映できます。1つのシリコン型からは15~20個程度の注型品を製作可能で、より多くの部品を製作する場合には、シリコン型を複数製作して対応いたします。

製作する部品は、着色したり半透明にしたり軟質素材で製作することも可能です。また、アンダーカット形状の部品もシリコン型を分割して製作します。

元になるマスターは、既存の部品をマスターとしてご提供いただく方法と一から製作する方法があります。一から製作する場合は3Dデータを元に切削加工や光造形等でマスターを製作します。

この真空注型は、高価な金属型を使用した成形と比べ短納期・低価格で少量の部品を製作できるのが特徴です。ゼンでは、マスターの製作からワンストップで対応できます。

真空注型の事例KAKO NO JIREI

既存部品の複製

既存の部品を複製した事例。
元の素材の質感も再現できるため、どちらがマスターになっているかわからないほどです。
お客様から支給して頂いた部品や、成形品をマスターにすることも可能です。

透明材注型部品

透明材の注型事例。
複雑な形状ですが長年培った技術で仕上げています。

材質:アクリルタイプ

軟質の注型事例

軟質材料で注型製品を製作することもできます。
材質:エラストマー

大型の注型

写真を掲載できませんが、大きいものだと車のバンパー程度の大きさの部品まで製作可能です。

  • 半透明の注型品。
    このような着色を施して半透明の注型品に仕上げることも可能です。

  • 着色した注型事例。
    色を付けて製作すると塗装仕上げも不要です。
    材質:PPタイプ

  • 透明材での注型事例。
    内部の機構が見られるようにカバー部分を
    透明材で製作しました。

  • 左側がマスター・右が複製した製品です。マスターになった部品の表面の質感まで写し取れます。

  • 細い部分が多い部品ですが、長年培った技術で製作しています。

  • カバー形状の注型事例

  • カバー形状の部品に塗装を施しています。

真空注型の特徴KAKOU NO TOKUCHO

特徴1 目的に応じた材料選びが可能

軟質・耐熱・透明・着色・シボ等の表面処理の注型品に幅広く対応できます。
ウレタン樹脂・ABSタイプ・PPタイプ・PMMAタイプ・軟質タイプといった材料から選択可能です。

特徴2 複雑な形状での実績

インサート注型やテンキーの様な超極薄製品も対応し、納期・コストと共にお客様のニーズにお答えします。

特徴3 注型製品への2次加工も可能

注型製品への塗装+レーザーエッチング・シルク印刷等の処理が可能です。

真空注型の素材・条件SOZAI TO JOKEN

真空注型では、ウレタン樹脂を材料として使用します。
ABSライク・アクリルタイプ・PPタイプ・難燃タイプ・耐熱タイプ・軟質ウレタンなどに対応できます。

真空注型はここがすごい!KOKO GA SUGOI

  • 金型成形と比べて短納期で対応可能
  • ご希望の色に調色可能
  • 少量の樹脂部品を安価に製作
  • アンダーカット形状も可能
  • 一体加工による強度確保

真空注型の精度KAKO NO SEIDO

型の製作にやわらかいシリコンを材料として用いていることもあり、
寸法に対して0.3%程度のズレが生じる可能性がございます。

カバー、ケースなどの案件が多く、勘合確認をして納品させていただきます。

真空注型に用いる設備KAKO NO SETSUBI

真空注型機

真空状態をつくり原料樹脂を型内に注ぎ込む作業を行う機械です。
シリコン型からの脱泡にも用います。

オーブン

熱で樹脂を硬化させる時に使用します。

真空注型の方法・作業の流れSAGYO NO NAGARE

その1 マスター仕上げ

樹脂切削加工・光造形等で製作したマスターは、分割ラインや造型の積層痕などの凹凸があります。この凹凸が残っていると注型品にも同じ凹凸が複製されるため、サフェーサー・ペーパー等を用いて凹凸を無くします。

お客様から支給して頂いた部品や、成形品をマスターにすることも可能です。

その2 型製作①(マスターへのパーティング作業)

反りやアンダー部の処理等を考慮しシリコンの型の分割位置(パーティングライン)を決めます。
シリコンゴム型の分割位置に対して、マスターにテープを貼ります。

その3 型製作②(型枠にシリコン流し込み)

型枠を製作しマスターをセットした後、型枠内にシリコンを流し込みます。
真空注型機の真空引きにより型枠内に残った気泡を排除します。

その4 型製作②(型の取り出し)

シリコンが固まったら型枠を分解しシリコンを取り出します。
パーティングラインに沿ってシリコンを割りマスターを取り除きます。
これでシリコン型が完成します。

その5 注型作業

シリコン型を貼り合わせ、ウレタン樹脂などの原料を流し込みます。
真空注型機で型内に残った気泡を排除後、オーブンで原料を硬化させます。

その6 シリコン型から製品を取り出す

原料が固まったらシリコンゴム型を開き注型品を取り出します。

その7 製品仕上げ

材料を流し込む際に出来たゲート部・バリ・穴径・ボス径の確認と仕上げなどを行います。
ブラスト・脱脂処理を行い出荷します。

真空注型のQ&AQESTION & ANSWER

  1. ゴム型一つで何個くらい作れる?
  2. 真空注型で製作するシリコン製のゴム型は、形状や大きさなどにもよりますが、 1個のゴム型から15個~20個くらい・・・
  1. 注型のマスターには、持っている物を使えますか?
  2. お客様から部品をお預かりしての注型も可能です。 マスターを作る必要が無い為、納期短縮、コストダウンにつながりま・・・

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